映画の窓

映画の窓 · 2019/08/14
 感想文の指導で大忙しの夏休みですが、一週間お盆休みをとり、映画に行って来ました。学生時代、年間70本ほどの映画を見る(当時はレンタルビデオ屋などありませんから、映画館に足を運んでいました)ほどの映画好きでした。このごろは年に一回、映画館に行くくらいで、すっかり足が遠のいています。しかし、やはり映画好き。映画に行くと胸が高まります。 この作品は、戦艦大和の造船経緯を天才数学者と海軍の攻防を通して描く大作です。フィクションですが、「国を守るとは何か?」について考えさせられる秀作でした。   一映画ファンをとしての雑感を綴ってみます。 フィクションではありますが、もしかしたら、戦艦大和は「沈没してこそ国を守る」ために建造された軍艦という設定が真実かもしれないと感じさせられました。こういう視点で戦争を描き、愛国を説く発想にただただ脱帽です。また、その発想を伝え読者(観客)を引き付けるために天才数学者を配置する手法にも感激です。(子どものころからダ天才ヴィンチの伝記ドラマに魅せられた私は、天才が出てくる話が大好き…)。当然のことですが、面白い話というのは、話の構成、人物設定、配置に無駄がありません。 役者の配置も絶妙。印象深かったのは、菅田将暉演じる櫂直。前半では狂気的な天才数学者を演じきった菅田将暉が、ラストで流す涙に、見ている私ももらい泣き。人気者の彼が演じる映画ということで、若者が映画館を見て戦争について、国について考えてくれる機会になることを願うばかりです。もう一人、田中泯演じるところの平山忠道。「永遠のゼロ」でのわずかな出演シーンでも、私の心に強い印象を残した役者さん(ダンサー?)ですが、今回も圧巻の存在感でした。監督さん絶妙な役者起用です。 というわけで、貴重な休暇に秀逸な映画に出会えてよかったです。